昭和初期の建物が並ぶ町in気仙沼

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斎藤家はかつて海産物問屋を営んでいた。

昭和4年の大火の後、昭和6年3月。着工 板塀 S11,8

2年の歳月をかけて造られたと言う。

  (サッシ入れ替え前と現在)

外観は道路のすみきり部分まで有効に敷地を活用する為に

直角部分は殆ど無い。

  

板塀も雲形の隙間から、中庭の植木が垣間見えるように造られ、

道行く人に安らぎを与え又、内部もそれにより閉塞感が無い。

   

蓋が出来る部分は、裏が丁度浴室に当たる。 面白いが違和感が無い。

    

さて、この家は矩折(カネオリ―直角)部分が非常に少なく、建具(障子や戸)がきちんとしまるようにする為

柱はなんと、内部、外部共五角形に作られている。

しかも、その五辺全て同寸ではない。

   

セガイの部分にも気を配って仕上げている。

   

↑隅木(当地ではスミガイという大工さんも居る)  

  

建築当時の平面図(現在は階段の位置が違う)と、確認申請書

   

二階の外部に面する廊下部分は扇形に広がる為大工苦心の跡が残る。

   

五角形のため柱も大きいのを削り取らねばならず、実に無駄が多くなる

いわば、贅沢な柱と言う事だ。

部屋が広がっていると言う事は、既成の畳も合わない。

  

くれ板の継ぎ目も美しく仕上げてある(材:サクラ)

  

廊下天井部分も秋田杉まさめを扇型に張る。稲子仕上げ

  

柱と長押、鴨居取り付けも苦心している。

  

床の間床板―ケヤキ  壁は10年前に塗り替え

   

長押の仕上げは雛留(両方の木幅の半分以内を留にし、

その背後をありほぞに下仕口)

    

  昭和の華やかさを感じさせる床脇

    

書院の模様の美しさ、技巧の素晴らしさにも改めて驚く

     

欄間縁の模様にも気配りが・・・。

   

矩折の無い部屋は、竿ぶちも廻縁に斜めに取り付く。

  

変形畳と、当時の材料見積書。土台―栗、柱―杉、梁―松等、記載

  

↑ 1階奥座敷の板欄間 上記壁は、建築当時のまま

   

ケンドン蓋(垂直な蓋で相欠差しにしたもの)様の障子で、取り外すと夏障子風になる。

以前は土間(みせ)との境にあり、すだれと同様、中が見えにくく風が通るようになっている。

  

腰板は一枚のケヤキで作られている。

  

神棚と仏壇

  

当時のまま綺麗に残っている襖とこの家に良く似合う和箪笥。



気仙沼は内湾の直ぐそばまで山々の裾野が伸び、平野部が非常に少ない

それゆえ、繁栄を誇る家々は、敷地ぎりぎりまで家や工場を建て、

狭い敷地の有効利用しなければならなかった。

その変形の敷地に、巧みな技で挑んだ大工達の腕の結晶が

この地の家々の特色でもあろう。

一軒一軒違うであろう、匠の技の競演が楽しみな地でもある。